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2015年11月23日月曜日

R18BL短編『うそつき』(10)


はじめて読む方は、こちらから。




(10)


ずっと誰にも言えなくて、どうしたら良いのか分からなくて。だから今まで誰とも付き合ったことなんてない。


「ふーん、じゃあ、自分で時々弄ってたの?」


 その質問には、答えなくてもきっと……更に熱くなった顔で、全て見透かされてしまった。

 
「……千聖って、見かけによらず、エッチなんだね。」


 そう耳元で囁かれただけで、身体が大きく震えた。


「―― あ、ッ…… あ、」


 勝手に跳ねる腰を、上から押さえ付けられて、ビクビクと西脇さんの手の中で堪え切れない欲を放ってしまうのを止めることなんて出来なかった。


「いっぱい出たね。そんなに気持ち良かった?」


 呆気なく、達かされてしまった事が恥ずかしくて悔しくて、白濁で汚れた手を見せつける西脇さんから目を逸らした。


「じゃあ、こっちは?此処も自分でした事ある?」


 まだ余韻の残る身体を、簡単に反転させられて、腰を高く引き上げられた。


「―― あっ、イヤッ」


 ぬるりとしたものを纏った指先が、後ろの入り口をつつく。
 
 身を捩ろうともがいても、しっかりと片手で腰を固定されて、動きは封じられてしまった。

 次の瞬間、つぷっと指が挿し込まれる。


「ん……っう、」


「柔らかいね。昨夜もしたの? 誰かにこんなことをされてるのを想像しながら?」


 中を掻き回して、わざとらしく水音を立たせながら訊いてくる。


「―― それいじょ……っ、言うなっ、」


 はいはいと、笑い混じりの声が聞こえて、指が引き抜かれていくその拍子に吐息が洩れた。


「じゃあ、もう挿れていい?」


 そう言われて、肩越しに振り返ると、西脇さんが服を脱ぎ始めていた。

 服の下に隠されていた、程よい筋肉の付いた美しい身体が露わになり、思わず息を呑んだ俺に気が付いて、西脇さんは艶然と微笑んだ。


「そんなに欲しい?」


「なっ、違……、」


 否定しようと出した声は、西脇さんの咥内へと呑み込まれて消えてしまう。

 思わず見惚れてしまっていたことも、この人には見透かされていると思うと、羞恥で体温が一気に上昇した。





続きます。。



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