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2015年11月26日木曜日
R18BL短編『うそつき』(12)
はじめて読む方は、こちらから。
(12)
広げさせられた脚を、肩に担がれて、挿入の角度が変わる。
唇に押し付けていた手は、シーツに縫いとめられた。
「愛してるよ、千聖。」
嘘の言葉を吐きながら、口づけられる。
嘘だと分かっているのに、俺の身体は、その言葉にいちいち反応して、勝手に熱くなっていった。
西脇さんにとっては、ただの遊びで、俺は…… ただ、騙されて無理やり快楽を教え込まれているだけで。
ここには、愛なんてものは無いのに。
西脇さんは、嘘をたくさん吐きながら、俺の身体をこれ以上ないくらいに優しく抱いた。
俺も……いつの間にか、その優しい嘘に……悦んで、騙されていた。
ただの嘘だと、分かっていたのに。
*
―― 遠くで、話し声が聞こえてきて、意識がゆっくりと浮上する。
声…… ああ、そうか、俺……西脇さんに……。
重い瞼を開けると、シャワーを浴びたのか、腰にバスタオルを巻いた西脇さんが、携帯を耳にあてて立っている姿が見えた。
「―うん、今から帰るよ。…だから、今日は催事応援だったから、遅くなったんだよ。ああ、飯は要らない。」
通話を終えて、携帯をソファーに放り投げて、さっさと服を着始める西脇さんを、俺はボンヤリとした頭で眺めていた。
―― あれ?帰るのかな。じゃあ、俺も……。
だけど、起き上がろうとすると、腰に鈍い痛みを感じて、またうつ伏せのままシーツの海に沈む。
「あ、起きた?」
それに気付いた西脇さんが、此方へ近付いてくる。
「俺、帰らないといけないんだけど、千聖はゆっくり泊まっていきなよ。」
そう言って、ポンっと携帯を枕元に投げた。
「……え?」
それは、西脇さんのではなくて、俺の携帯。
続きます。。
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