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2016年2月27日土曜日

R18ssリレー『サクランボとクリスマス』(20)


★初めて読む方は、こちら から ↓

http://swepara.blogspot.jp/p/blog-page_17.html

tonberi & zu-cha 140SSリレー
『サクランボとクリスマス』

青い字が、tonberi
赤い字が、ずーちゃ です。


続きからどうぞ…↓









「電車に乗っ …」 


 男の指はここが電車の中だろうとお構いなしに伊織の中を掻き乱した。


「…ぁ」


 湿度を帯びた吐息が受話口から李央の耳に届き、それだけで李央は伊織の状況を感じ取る。


「ぁは … 折角李央として気持ち良かったのに。」


 伊織は自嘲するように言った後、「気持ち悪 …」と、呟いた。


「伊織。」


 少し呆れ気味に名前を呼ぶと李央は止めていた脚を動かし歩き出す。


「また痴漢?」


 問いかけるけど余裕が無いのか伊織からの返事はない。


「気持ち悪いとか言いながらも濡れてきてるんじゃない?伊織はヤらしいから。」


 電話だからか李央の声が身体の中へ直に響き伊織は肩を竦めた。

 違うと言いかけて伊織は言葉を止めた。本当は最初に受話口から李央の低い声が聞こえた時から気付いていた。


「あは…は、なんでもお見通し …あッ、」


 その時後孔から指が引き抜かれ、代わりにもっと太く硬いモノが入り口をつつく。


「李央、もっと声を聴かせて。」


 そう言って伊織は目を閉じる。


「ねえ伊織。部屋から出る時、何か見つけなかった?」


 自分が部屋を出て行った後、伊織がどうしていたかを見ていたように李央は話し出す。


「ンッ、え …あ …、」


 押し寄せる圧迫感に思考が停止してしまうが、脳裏にぼんやり映し出された物に伊織が頷く。


「あれわざと?」 掠れ声で伊織は笑った。


 クスッと李央の笑う声が聞こえてくる。


「あれでいったい何するつもり …ッん …、」


 電車の揺れと同時に体重をかけられて男の身体が密着した。

  最奥を突き上げられて、声は途中で途切れがちになりながら、伊織は李央の姿を思い浮かべていた。


「あの皮のハーネス、李央似合いそう …。」


「自由を奪われてするセックスって、最高に興奮する。」


 電話越しでもニヤケているのがわかる口調の李央の電話向こうでカチャリと音がした。


「伊織も今似たような感じだ。無理矢理に犯されて ……。」


 声を低くし李央がそう言うと、今度はガサガサと音がする。どうやら李央は自宅に戻って来たようだ。


「李央ッ ……はッ …何してるの?」


 段々と荒くなる伊織の吐く息を聞きながら、李央はほくそ笑む。


「伊織、どう?今気持ちいい?」


 李央の声が身体の中へ直接響いていく。それはまるで近くに李央がいて、耳元で囁かれたような気がして ……
  

「ふ ……気持ちいい ……何だか、李央に犯されてるみたい。」


 伊織の声がすっかり欲情しきった色へ変わった事に李央は笑うと、寝室のベッドに腰掛ける。


「愉しまなきゃ損だよ。」


 ベッド上にあった紙袋を開けると、ジャラリと音をさせてハーネスを取り出した。


「これ今から使おうと思って。」


 携帯を肩に挟んだ李央はハーネスを両手に持ち、広げて眺める。


「今からって? ……あぁっ!」


 男の腕が伊織の腰にしっかりと巻き付き、律動が激しさを増した。同時に前も扱かれて急速に追い詰められていく。受話口からは衣擦れの音。

 それをかき消すように男が耳元で、「いいか?」と、酒臭い息を吐きながら囁いた。


「……煩い ……、」


 男の声なんて、聞きたくないのに。



「…… 引っかけてやろうと思ってさ。」


 その相手を思い浮かべ、李央の口角がつり上がる。


「伊織イきそう?」


 先程より電話向こうの息遣いが荒く短くなっている。


「奧を突かれながらイくのが好きだよね。おねだりしないの?」


 笑う李央の向こうからいつの間にか聞こえた男の声に伊織が耳を澄ます。






続きます…


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