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tonberi & zu-cha 140SSリレー
『サクランボとクリスマス』
青い字が、tonberi
赤い字が、ずーちゃ です。
続きからどうぞ…↓
「付けただけでもうこれか。」
「ハアッ、きっつい。」
李央のモノを強く握った臣は、呆れるように言う。
刺激に仰け反っていた頭を浮かせ、自分のモノに食い込んでいるベルトを見て、李央は薄ら笑いをして背中をベッドに戻した。
「これじゃ本当に出せないな。」
既に充血しているのを見て、臣が呟いた。
「あぅっ!」
突然李央の苦しそうな声が伊織の耳に届く。
臣に嬲るように先端を弄られて、根元のベルトが更に食い込んだのだ。
「はは、厭らしいな李央。こんなに締め付けてるのに先が濡れてきたじゃないか。」
苦しくても快楽を味わう李央の姿が目に浮かんで、伊織は喉を鳴らした。
「アッ、いい…」
「ついさっきまでヤってたんだよな?ならこのままいけるだろう。」
臣は手早くズボンの前を寛げ、勃起したモノを取り出し、すぐに下腹部を突き出し挿入した。
「ハアッ!あ…ああ…」
ゾクゾクする快感に、李央は切なげに眉を寄せた。その声に伊織の股間がヒクリと脈打った。
「ふふ…こっちまで感じちゃう。」
臣に突かれながら、全身をハーネスにぐいぐい絞められて李央が喘ぎ乱れているのが伝わってくる。
李央が臣のことを、『お気に入りの男』だと言ってた事を伊織は思い出していた。
李央をこんなに乱す事ができる男、臣に伊織は興味を抱き始めていた。
「ああ臣ッ、そこいい…」
「ッ、」
いい所を強く突かれ、李央の中が締まれば臣は唸り声を飲み込む。
李央の手から携帯が離れたのか他の音もよく聞こえ、繋がった所からの卑猥な水音に伊織は股間だけでなく後孔も疼く。
が、「はあっ!…いい!臣ッ好き──」
李央の言葉にピクリと肩揺らした
その後は聞きとれず、ツーツーと電子音がリピートする。
「切られちゃった。」
伊織は力なくその場にしゃがみこむ。
「…父さんに逢いたい。」
着信があったのに何度かけても繋がらなかった。
諦めて携帯をポケットに入れると奥でカサッと音がする。出してみるとその音の正体は一万円札だった。
皺の寄った一万円札を見つめ伊織は、「こんなの…」と表情を曇らせる。
心を満たしてくれるのはこんなモノじゃない…僕が欲しいのは──
……グッと堪えた気持ちを押し込めるように、伊織は乱暴にまたポケットへ一万円札をしまい、過ぎゆく窓の景色をぼんやり眺めた。
乗り換えのホームに雪がひらひらと舞う。寒さは感じない。
李央の声を思い出すと籠ったままの熱は、鎮まるどころか体内に広がっていく。
だけど…
「好きだよ」と、囁かれてキスをして、それが真実かもと、また錯覚してしまっていたなんて。
「笑っちゃう」
…どうせ家に帰っても誰もいない。
小雪が伊織の髪を濡らした頃、伊織は家の玄関をゆっくり開けた。
夜も遅い。当然家の中は静まり冷え切っていた。
「ただいま。」
呟いた伊織の小さい声は響く訳でもなくその場ですぐ消えた。
俯き溜息をついて靴を脱いでいると、
「おかえり伊織。」
気配もなく突然聞こえた声に驚き、顔を上げた。
続きます…
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ぽちっと↓
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