2017年3月15日水曜日

『出逢えた幸せ』第一章:聖夜と生クリーム味の……(13)


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第一章:聖夜と生クリーム味の……(13)





「生クリーム、ついてた」


 そう言って、俺の口の横についた生クリームを指で拭って……、その指を、舌でペロッと舐めた。
 その仕草がなんか色っぽくて、めちゃくちゃドキドキしてしまう。


「あ、ごめん。つい……」


 固まってしまった俺を見て、透さんも少し慌てた様に、照れて笑っている。


「直くんが、生クリームついてるのも気が付かずに美味しそうに食べてるから、可愛くって…… ついね」


「うぁあ、すみません。俺ってガキですよね……」


 なんか恥ずかしくて俯いてしまう。 顔が熱い。 きっと真っ赤だろうなと思うと、恥ずかしくて、顔を上げることができない。
 恥ずかしさを誤魔化す為に、俺はケーキをおもいっきり頬張った。


「ぐふっ……」


 一口で食べれる大きさを遥かに超えた分量を、無理やり口に押し込んだものだから、唇にも、その周りの顎や鼻の上にまで、生クリームがべっとり付いてしまった。
 慌てて食卓のテーブルの上に置いてあるティッシュペーパーを、取りに行こうとすると、不意に透さんに、右腕を掴まれて引っ張られた。


「え?」


 ソファーの上に戻された弾みで、僅かに身体が跳ねる。


 ―― なっ……?


 驚いて顔を上げると、透さんの顔が近付いてくる。


「可愛いな…… ホントに……」


 ―― え?…… え……?


 透さんの舌が俺の唇に触れてきて、ペロッと生クリームを舐め取った。


 ―― うそーーーー?!


 今起こってる事が理解できなくて、固まったままの俺の顔に付いてる生クリームを 透さんは更に舌で舐め取っていく。
 視界一杯にひろがる、彼の顔は妖しく艶めいた色気を放っていて……。

 ドックンドックン…

 心臓が有り得ない大きな音で動いてるのを感じる。 透さんの耳にも届いてるんじゃないかってくらい……。
 最後に鼻の上を触れるように舐めて、透さんの顔が離れた。

 俺は口の中いっぱいに頬張ったままのケーキを飲み込む事も出来ず、ただ、ただ、固まって、自分の顔が熱くなって耳まで真っ赤になっていくのを感じていた。


「ごちそうさま」


 真っ赤になってる俺に、こんな事何でもない事のように悪戯っぽい笑顔で、透さんはそう言った。


 ―― か……、からかわれたのか? 冗談にしてはやり過ぎだよぉ!


「透さん、ふざけ過ぎ……」


 口の中のケーキをモグモグと食べながら訴えたけど、先ほどの行為の余韻で力が入らず、小さくて掠れた、情けない声しか出なかった。


「ごめんごめん、でも美味しかった。 甘くて」


「……」


 な…… なんて反応したらいいんだ?
 こんな事、普通男にするだろうか? 透さん、何考えてるんだ……。

 これがもし、他の男にされたとしたら、どうする? 例えば…… 幼馴染の啓太とかだったら……。


「……」


 ぜってー やだ! 気持ち悪い~~って、断固拒否するだろうな。 やめろ!って言ってボコボコにするな、きっと。

 でも、何故だか透さんだと、嫌だとか気持ち悪いとか思わなかったりして……。





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