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2017年6月30日金曜日

第三章:身体と愛と涙味の……(6)

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第三章:身体と愛と涙味の……(6)



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「なーお、入れただけでイッちゃったね。 気持ち良かった?」


 身体に覆いかぶさるように、耳元に唇を寄せて、みっきーが囁く。


「俺も、直の中、気持ち良いよ」


 俺は達した後の気怠さの中で、みっきーの声をぼんやりと聞いていた。

 そんな俺を、みっきーは情欲に濡れた瞳で見下ろして、ふっ、と、口角を上げる。


「放心状態のとこ悪いけど、動くよ?」

「…… あ、」


 ―― そうだった……。


 みっきーのを受け入れただけで、俺はイッちゃったわけだけど、みっきーのは、まだ俺の中にいるわけで……て、事は……。

 上から見下ろしたまま、みっきーは、最初はゆっくりと律動を始める。


「ん、あッ……、」


 徐々にその動きが早くなり、力の入らない身体は、みっきーのリズムに合わせて、ただ揺さぶられていた。

 また、前立腺を狙って、抉るように突いてくる。


「ああッ、あ、…… ッン」


 何度もそこを攻められて、また追い詰められていく。


「あ、あっ、ソコばっか、やッ、だ…… ッ」


 頭の中が、真っ白になっていく。


「なーお、なんで嫌なの?」

「ん、あ、…… ッ、な、んか、変…… だっ、し……」

「どんな風に、変なの?」


 腰をグラインドさせながら、俺の中を掻き回して、何度もそこを攻め立てられて、怖いくらいの快感に襲われた。


「あ、ああッ、ーーッ、も、なんッ…… 狂いそっ、だからッ」

「んじゃ、もっと狂っちゃえ」


 そこを狙って腰を打ち付けて、抽送が激しくなっていく。


「あ、あっ、ああっ、やっ、また…… イキそ……っ」

「イキなよ、直」


 そこを突かれる快感が、徐々に身体に広がって全てが侵されていく。


「―― ッ、あ、あ、……ッ」


 みっきーの肩に縋ろうと、伸ばした手が届かずに宙を切り、力の抜けた身体はシーツに落ちてスプリングに揺れた。


「なーお、こっちだけでイケたね」


 絶頂の余韻が抜けなくて、耳元に囁かれただけで、敏感に快感を拾ってしまう。


 ―― こっち……?


 みっきーの言った言葉の意味を、すぐに理解することはできなかった。


「ほら、直のここは、まだイッてないよ」


 ―― え? でも、今…… 確かに……。


 さっき、今まで経験したことのないくらいの絶頂を味わったはずなのに……。


「ドライオーガズム。 後だけで感じちゃったんだよ」


 ―― 後だけで?…ドライ?


「直は素質があるって事かな。 ある程度は、透さんとやらに開発してもらってたからかもね」


 朦朧とした頭で、みっきーの言葉を追うけど意味が判らない。


「射精しないで後ろだけで感じて、女の人みたいに何度もイク事ができる……」


 言われても、今ひとつ理解出来ない。

 だけど、みっきーがゆっくりと腰を動かし始めると、そんな思考もストップしてしまった。


「ほら、いつもより敏感になってない?」


 囁いて、胸の尖りに少し触れられただけで、快感が背中を駆け上がった。

 身体中をまさぐる手に、鋭敏に反応してしまう。

 俺の片足を肩に担いで、より一層深く突いて、みっきーは律動を速めていった。


「あ、あ、ッ…… あ、あ、も、また……ッ」


 激しく揺さぶられて、あの感じる部分を擦られて、押し寄せる絶頂に何度も襲われる。

 熱の籠った息を吐きながら薄く目を開ければ、額に汗を滲ませて俺を見つめる切れ長の瞳と目が合った。

 俺の中で、みっきーのが波打って、また大きくなったのを感じる。


 …… その時、どこかで俺の携帯のメールの着信音が鳴った。


 ―― 透さん専用に使っているメロディー……。


 胸の奥が、トクン…… と震える。


「出る?」


 みっきーに訊かれて、小さく首を横に振った。


「…… メールだから……、後でいい」


 みっきーが、「そ?」と、言いながら微笑んで、律動を再開する。


「俺もそろそろ限界っぽい……」


 少し余裕なさげな声が聞こえた途端、ギリギリのところまでみっきーのが引き抜かれていく感覚に、思わず吐息が漏れる。


「…… ん、……ッ」


 次の瞬間、身体の最奥へ一気に貫かれた。


「あ、あああッ、あ、ーーーッ」


 明らかにデカくて長い、みっきーのモノに突き上げられて、悲鳴に近い声を上げて、それを締め付けてしまう。


「あ、あ、あ、…… まッ、みっ、きッ…… 激しすぎ……っ」


 容赦なく、最奥を打ち付けられて、 同時に射精を促すように、みっきーの手が俺の双珠を揉みしだき、蜜口を弄られて、吐射感が込み上げる。


「ん、あッ、ダメッ…… みっき……、いくっ……」


 みっきーの汗が、俺の頬に落ちてくる。


「俺も、…… く…… ッ」


 俺が、自分の腹や胸の上に白濁を放ったのと、身体の奥に熱が広がるのを感じたのは、ほぼ同時だった。





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